午前2時の正夢

これは夢か現実か?とりあえず眠ることにしよう。

ソーシャルディスタンスなどと称してユーザー名や文章にスペースを挟む行為についての苦情を読んで考えたこと

元ネタ

生活と意見: ソーシャルディスタンスなどと称してユーザー名や文章にスペースを挟む行為についての苦情

これを読んで色々と考えたことがあった。 特に自分が広告代理店に勤務しているがあるべき抑止力になれなかったというのが大きい。

webサービスを開発しているわけでアクセシビリティとは無縁ではいられない。 多少なりともアクセシビリティに関わるなら社内でこういった企画が出たときに止めないといけないなと思った。

本来はこういう可燃性の高い話題は触れたくないが、明らかに無知とそれを許容した無教養が今後も出てくると思い、それらをせめて自分の組織においては抑止したいとおもう。

デジタルエージェンシーと”バズ”の功罪

小難しい見出しをつけたが承認やイメージアップといったものに踊らされて判断を誤ったのだとしか言いようがない。

近年SNSを使ったブランドイメージ構築が盛んだ。 シャープさんのような中の人運用や、公式が積極的にユーザーとコミュニケーションを取って地震などの自然災害時の倫理や行動指針を説いたりすることすらある。 今回のコロナでも各業界自粛になるにあたって予算削減があったり、投稿内容の方針変更があったようにおもう。

申し訳ないが、事情を完全に把握しているわけではないので各社の動向について曖昧な表現に留める。

SNSがブランドや企業の顔とも言えるようになってきた。 数多商品が溢れ、インターネットでレビューが簡単に収集できるようになった。 消費者が商品を選ぶ理由が多様になった。

その中で昨今ソーシャルグッドであるという視点で商品を選び、ブランドを応援する流れがある。

そしてそのソーシャルグッドな行いがバズを生み多くの人の目に触れるという側面が出てきた。

今回誰がこのユーザーネームで距離を取るって考えに至ったかはわからないが、おそらく本人としてはSNSをうまくハックした見事なアイディアだと思ったに違いない。 バズればユーザーからの称賛を得られ知名度も上がり一石何鳥になるか計り知れないと思ったのだろう。

バズるという事象が人の判断を鈍らせたのだ。 かねてから企業はバズを求めなんとかしてバズらないかと広告代理店をつついてきたことは事実だ。

この文字感の距離を取るアイディア考えついた人が無知だったのかもしれないし、真似した人たちも無知だったのだろう。

でも無知では済まされないことがある。 まして企業や団体、政治家のアカウントがこれをするのは無知でしたでは済まされないのだ。

SNSは誰でも運用できる。誰でも運用できるし低コストでバズれる可能性があるからこそ誰よりもリスク感覚や知識を使いこなすことが必要だ。これを機に当たり前に担当者がアクセシビリティについて考えるようになってほしい。

ただバズればいいという考えが終わったことはちょっとSNSを運用したことがある担当者なら周知の事実のはずだ。

低コストで運用できるからこそチェックが甘くなったとも言えるし、コストカットでアクセシビリティのことがわかる人材が運用できなかったのかもしれない。

今後は一人の運用担当者が保有していないといけない知識は多岐に渡り、教養が高くないといいけないのではないかと思う。

所感

今回の元ネタの原因となった事象もはじめは感染を避けるために距離を取ろう、それを率先して行うという意思表示の訴求をユーザーネームで行おうという考えに基づいていると思う。 その考え理念は理解できる。そしてそれ自身は素晴らしいものだ。

だが、SNSのユーザーネームというのは広告のクリエイティブの中のフォントやタイポグラフィのデザインとは異なるということが一般的なユーザーにはわからないのだ。 それがデジタルエージェンシーの中の運用担当者であっても。
何が原因でどういう影響が出るのかなどは元ネタをよんでほしい。かなり詳細に調査がされている。

色々と書いているけどwebサービスにはアクセシビリティという特性の違いに関わらず平等に情報にタッチできることを念頭においた考えがあることを当たり前の知識として知ってほしい。

本当にソーシャルグッドなことがしたいときセンセーショナルな見た目だけではなく多方面にグッドな立て付けを考えるようにしていかないといけない。 それはインハウスのSNSマーケターであってもデジタルエージェンシーの営業であってもだ。

無知な誰かの口から今回みたいな企画が出たときに抑止できないといけない。 アクセシビリティはエンジニアとデザイナーだけのもんではない。

誰しもが持つべき知恵であり教養なのだ。